前回、「初心者や挫折してしまった人に知って欲しい英語上達法」ということで、上達のために必要な2つのものや、単語と文法の重要性、単語の覚え方などについて書きました。
⇒ 初心者や挫折してしまった人に知って欲しい英語上達法
単語や文法を覚えることがとても大切なことはわかったけれど、では、覚えるにあたって必要なものは何でしょうか?

単語や文法を覚えるのに必要なもの
次の3つがそろっていることが望ましいです。
第1位 いい教科書
第2位 いい教師
第3位 いい辞書
教科書とは、学校や講習会で教師の指導の下で使う本のことで、基本的に生徒自身が選べるものではないので、一人でも勉強できる自習書についての注意点を少し。
いい自習書について
言語学者の千野栄一先生いわく、初心者の自習書は薄いものがいい、とのこと。勉強でこれだけ済んだ、ここまでわかった、ひとつ山を越えたということを絶えず確認して、次のエネルギーを呼びさますことが必要なのだそう。
どのくらいを薄いと言うかは人の感じ方次第かもしれませんが、以前、私がここで紹介した3冊は、電話帳ほど厚いものではなくかといって薄くもないけれど、イラストやカラーを入れてわかりやすくなるよう工夫がされているので、読んでいて楽しいです。
⇒ おすすめの参考書
そして、使用されている単語も、使われる頻度の高いもの、基本的なものばかりですので、単語を覚えるという観点から見ても理にかなっています。
ただ、ほとんど基礎知識がないような状態で勉強を始める人は、まず、大きな字、黒枠で囲まれたものを繰り返しながら、しっかりと頭に入れてください。それが最重要事項だからです。
いい教師について
まず第一に、英語教師ならば英語がよくできなければいけません。これはあまりにも当然なことですが、日本の現状では必ずしもそうとは限りません。その語学ができることの中には、まず発音のよさがあげられる。よい発音の先生についた生徒が必ずよい発音をするわけではないにせよ、この両者の相関関係はとても大きい。
千野栄一『外国語上達法』より
このように、確かに発音がよくできる先生は、生きた英語に触れている時間が長く、それだけ知識のアップデートがされていると言えます。
特に今の時代は、簡単にいつでもDVDやYouTubeを観ることができますし、直接外国人と話すチャンスも多くなっています。現地に住まなくたって、生きた英語を聞いて話す練習はその気になればできるわけです。
それなのに、発音がイマイチ・・・という先生は、英語に触れる時間や勉強する時間が少ないのでは?と思います。どんな語学の天才でも、定期的にその語学に触れようと努力しているものですからね。
どんな先生から習うのがいいのか
さらに、千野先生は、「初歩の文法や、その外国語の全体像を習うには、一般言語学の素養のある、その言語の語学の専門家がいい」と言います。それは、文法を明快に説明できるからだそう。
日本の中学・高校は、英語の教員免許を持っていれば誰でも英語を教えることができます。専攻は、教育学でも英文学でも英語学でも何でもいいんです。とにかく英語系の学部でさえあれば、英語の教員免許が取れますからね。
でも、先生が一般言語学の素養があるかどうかなんてわかりませんし、わかったとしても学校の先生は選べません。
選べるとすれば、英会話学校の先生や英語塾の先生。
英会話学校や英語塾は、先生が商品なので、どんなバックグラウンドがあるか公開していることが多いので、知ろうと思えばそれは可能です。
でも、英会話学校の先生はネイティブであればいいと思っている人が多すぎます。ネイティブっていってもいろいろですよ?英語が話せるのと教えられるのとは別の話。初心者の人がよく理解できていない英語を聞き続けるのは効率が悪いです。
「どうしてここではinじゃなくてtoを使うの?」というような細かい質問には、ほとんどのネイティブは答えられないでしょう。「だって、そうだからそうなんだ!」と言われて終わり。笑
でも、ネイティブの先生の中にも、そこのところはきちんと勉強している人もいるので、そういう先生を選びたいですね。
いい辞書について
誰にでも合う辞書というのはあり得ず、初心者には初心者用の、次に買うのは中型のもの、と自分に合ったものを買っていくのがよいそうです。さらに、頻度数が載っているもの。これは、効率よく単語を覚えるためです。
以前、このことについて書いていますのでよかったらこちらも・・・
⇒ 単語を効率よく覚える裏ワザ
(たまたま私も同じように辞書を活用していたのでビックリしました!)
そして、使う辞書は多ければ多いほどいい。今は、分野別など多種多様な辞書が出ていて、どれ一つとして同じものはありません。なので、もし持っていればいつかは役に立ちます。ただ、置く場所と買う資金だけが問題。(辞書って高いですよね・・・)
でも、良い電子辞書を持っていれば、これはある程度解決できる問題です。私がいいと考える電子辞書は、複数の英英辞典や英和辞典が入っているもの。自分が納得いく訳語に出会うまで調べることができるからです。置く場所もとらないし、金額も、紙の辞書をいくつかそろえるよりトータルで安くなりますしね。
参考にした語学の達人千野栄一先生の本。まじめな本ですが、ユーモアがあって面白かったです。
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